メディアユニバーサルデザインについて
人と人、企業と企業、人と企業を結ぶコミュニケーション。その情報伝達手段として大きな役割を担う印刷物ですが、情報は単に発信するだけでなく、読み手に伝える事が大切です。私たちは、メディアユニバーサルデザインの考えに則り、誰にでも見やすく、使いやすい印刷物づくりを実践し、情報を送る側も受け取る側もお互いが喜び、満足していただけるモノづくりを心がけています。

MUD(メディアユニバーサルデザイン)とは…
 老若男女といった差異や個人のそれぞれの感じ方の如何を問わずに誰もが安心して利用することのできる施設や製品の設計・デザインを目指す「ユニバーサルデザイン(UD)」の思想に基づき、文字と色を専門に取り扱う者として、例えば、カレンダーや地図・案内板、また、ホームページなどにおいて、「文字の使い方」や「色の使い方」に配慮や工夫を加えることにより、誰もが見やすい印刷物を中心とする様々なメディアを提供し、より良い社会環境づくりに貢献することを目的とする考え方です。
今なぜメディアユニバーサルデザインが
必要なのか?

 カラー印刷技術の発展で、数年前まで白黒が大半だった新聞・雑誌・教科書・一般書籍・地図や案内図などがカラフルになり、色を使って情報を伝えることが多くなっています。そのため、高齢者や色覚障がい者が情報を読み取れずに不便を感じるケースが増えています。人は、高齢になれば、視力や色覚の機能が低下します。40歳代から白内障になる人が増え、80歳・90歳代では、ほぼすべての人が白内障になるといわれています。また、日本国内で弱視・色覚障がいなど視覚に障がいがある人は約420万人にのぼり、65歳以上の高齢者約2860万人と合わせると、実に日本人の約4人に1人が視覚にハンディキャップを持っていることになります。
 人間は、情報の87%を視覚から得ていると言われ、私たちの社会には「目で見る」メディアがあふれています。視覚から得られる情報の中には、災害情報や病気、食品衛生にかかわる情報、選挙など権利の行使に関する情報といった、重要な情報も含まれており、これらを高齢者や、弱視・色覚障がいなど視覚に障がいのある人を含めた誰もが適切に受け取れるよう、視覚メディアにもユニバーサルデザインが必要と考えます。
色覚障がいとは…
色覚障がいとは、特定範囲の色の見え方が一般色覚者と異なり、色の差を感じにくくなることです。色覚障がい者にとって、「青と紫」「深緑と茶色」「赤と緑」「水色とピンク」などが識別しづらい色の組み合わせです。また、識別しづらい色に、ある特定の色を同量足した色も識別しづらくなります。さらに、彩度の高い色に比べて、「灰色と淡い水色」「灰色と淡い緑」などのような彩度の低い色の組み合わせは識別がより困難になります。
色覚障がい者の見え方例
少しの工夫、配慮で見やすさが向上します。
色の区分分け
区分分けの工夫をすることで、識別しづらい色の組合わせも、見やすくなります。
色の組み合わせ
色覚障がいの方が識別しにくい色を避けた色分けにすることで、見やすくなります。
冗長性を加える
 色以外にもさまざまな識別の手掛かりを持たせる冗長性(文字・記号情報など)は、あらゆる人にとってわかりやすい情報とするための有効な手法です。
 当社では、上記の方法以外にも、必要に応じて色弱模擬フィルタ「バリアントール」や、ユニバーサルデザインフォントを使用するなど、誰もが見やすく、使いやすい印刷物製作を心がけています。また、定期的に滋賀県印刷工業組合主催のメディアユニバーサルデザイン勉強会に参加しています。
ユニバーサルデザインツール